同じ塗装色でも塗料メーカー、塗装条件によって色違いが起きる! ~キオスク端末「AES-KIO」で発生した色違いの考察~
障害内容
協力企業でチャージ機能付きキオスク「AES-KIO」のディスプレイパネル、本体、下扉をN9塗装色塗料で塗装を行ったが色違いが発生してしまった。
関連ページ:チャージ機能付きKIOSK端末「AES-KIO」
障害原因
塗装を行う際は、静電塗装ラインと焼付立て窯炉を使用して塗装を行っています。
*静電塗装ライン:立体的な大きさの制限は有りますが一度に多くの部品を塗装+乾燥を行う事が出来るメリットが有ります。
*焼付立て窯炉:筐体等の部品を塗装後に乾燥を行う装置です。
塗装後に乾燥工程の作業日、乾燥時間、温度、塗料メーカー等が違う事で色違いが起こってしまいます。
仕上がりの検査を行う際に塗装仕様書、色見本を基に検査を行わず塗料缶に表記されている塗料色を信じて梱包し出荷を行ってしまった。
障害調査
*使用する塗料は我社指定の塗料メーカーのものが使用されていたか?
⇒本体、下扉は同じ塗料メーカーのものでしたが、ディスプレイパネルは違う塗料メーカーのものが使用されていた。
⇒ディスプレイパネルの塗料メーカーのものは、他社の部品の塗装にも使用されていた。
*塗装、乾燥工程、作業日は同じか?
⇒塗装、乾燥工程、作業日について、本体と下扉は同じ条件で作業を行っていた。
⇒ディスプレイパネルについては、塗装、乾燥工程、作業日を別の日に行っていた。
⇒別日にディスプレイパネルの塗装を行った際に、他社の塗料メーカーの物を使用し塗装を行っていた。
⇒塗料缶の表記がN9であることは確認したがメーカーが違っていた。
*仕上がり確認(塗装検査)
⇒我社の検査条件は、外観確認、塗装色、膜厚、艶を我社指定の塗装仕様書と色見本で確認し、合否判定を行う事としています。
協力企業では、色見本で確認を行わず、塗料缶の表記を信じて色確認を行ってしまっていた。
対策
・指定した塗料メーカーの塗料であることを確認後に使用する。
・協力企業における色見本の保管方法については、塗料メーカーが判る様に記載を行い保管する
まとめ
その他の主要な協力企業でも確認を行ったところ、色見本の保管は出来ていますが、今回発生した色違いの原因となった塗料メーカーの指定管理はもとより、製品名、図面名、塗装色番号の表記が無い会社様も有りましたので表記方法の是正依頼を行いました。
塗装色の違いだけでなくその他、異物、キズ、かすれ等の目視で確認出来る物に対しての限度のすり合わせを行います。
また、目視確認できない塗装工程や塗装方法に対しては、協力企業の工程管理状況の管理・監視を徹底致します。