私は入社9年目、機構設計を担当している船戸です。

最近は、昔流行っていたトレーディングカードゲームに子供と一緒にハマっています。

 

では、本題にはいります・・・

5年ほど前に発生した事象になりますが、硬貨装填用金庫型カセット(以後『カセット』と示す)のシャッター部より硬貨が漏れるという事故が発生しました。

しかも、量産3年目にて発生した事象のためイヤな状況でした。

 

 船1

 

       硬貨装填用金庫型カセット

 

  • 原因調査

カセットに1円硬貨を数枚入れ振り、硬貨が何処から漏れてくるか調査を行うと・・・  調査したカセットのうち数個から硬貨が漏れることが判明!!

漏れた部分は、なんと硬貨の出し入れを行うシャッターの隙間より漏れていました。(部品Aと部品Bの隙間から漏れる!!)

 

 

 

 

 船戸さんキービジュアル

 

  • 発生原因

試作時の検証・・・漏れなし

確認台数・・・3個(少なくない??)

量産確認・・・実施記録なし!(初期流動確認を行っていない)

↓ ↓ ということは?? ↓ ↓ 

バラつき(寸法公差)の確認や量産初Lotの確認不足により発生

 

  • 再発防止に向けて

対策検討 → 試作品製作 → 検証を繰り返し行う。

検討時にバラつき(寸法公差)を考慮し、製作可能な最適な隙間に設計するのに苦戦!!

 

船2

 

 

  • 対策結果

検証を行った結果

部品Aの寸法公差を考慮し、製作可能な形状に変更にたどり着いた!!

(加工先の協力もあり)

変更することにより、バラつき(寸法公差)による影響を受けず、硬貨が漏れる隙間がない構造になった。

 

船3

 

 

  • 振り返り

今回の不具合で、机上にて寸法公差による影響がないかチェックすることの重要性を実感しました。そして、硬貨は予想外の動きやほんの少しの隙間からでも漏れてしまうということを再認識しました。

 

ただ、量産1Lot時に初期流動管理を行なっておれば市場に投入する前に発見できたのではないか・・・という後悔が残る結果になりました。

 

今後は、同じような事が起こらないよう注意します。

執筆者
船戸裕介
入社10年目、機構設計を担当しています。 最近は、昔流行っていたトレーディングカードゲームに子供と一緒にハマっています。