設置後1年で筐体にまさかの錆び発生・塗膜劣化!!
本ブログをご覧いただき有難うございます。
今は、品質保証部に所属している村上です。
私が営業部と技術部の時代に経験した、とある屋外設置製品での“錆び対策”についてご紹介します。
だれもが知っている錆び、そしてその錆びから製品を守る塗装について、基本に還って調べてみました!
<障害内容>
設置後1年の定期点検にて筐体端部の錆び、塗膜劣化が発生していた!
・遮蔽板の端部が錆び、塗装が剥離
・塗膜も劣化し白い粉が吹いている状況
海岸から近い事もあり潮風等の影響を受けているものと推測される・・・
<錆の原因>
ご存知の通り、錆びは鋼板が空気に触れることで発生します。
そこで鋼板を錆びから守る塗装について調査してみたころ下記の事が分かった。
・鋼板の縁の部分は平面の部分と比較して、かなり薄くなってしまう!
・これが、バリやピン角となれば、塗膜は極端に薄くなってしまう!(想像以上に・・・)
またいろいろ調べてみる中で、次のことも分かった。
・塗膜は、時間が経てば硬化し体積も減少する。
・塗装は硬く、もろくなって両側から引っ張られる。
・塗膜の薄い部分に力が集中し亀裂が発生する。
・この亀裂によって素材の鉄が空気に触れる。
・バリやピン角から錆びが発生していく。
<塗膜劣化の原因>
・白い粉をふく現象はチョーキング現象と呼ばれるものであることが分かった。
*主に塗装表面が暴露状態の際に紫外線・熱・水分・風等により塗装面の表層樹脂が劣化し、
塗料の色成分の顔料がチョークのような粉状になって現れる現象
・温度変化及び経年変化により樹脂と顔料が分離して起こる。
・寒暖の差が激しいと更に発生しやすくなる。
・耐候性ポリエステル樹脂系紛体塗料を使用しているが、塗料メーカの一般的な見解では夏を2回過ぎることでチョーキング現象が発生するとのことだった。
<錆びの対策>
・バリやピン角をなくすために、端部のR面取りを行った。
これにより膜厚が厚くなり、錆び対策になる。
<塗膜劣化の対策>
・環境に合わせた塗料の選定が重要であることも分かった!
寒暖の厳しいところに何年も設置する場合は“高耐候性”の塗料を選定する。
「耐候性ポリエステル樹脂系紛体塗料」から
↓
「高耐候性ポリエステル樹脂系紛体塗料」に変更した!
<まとめ>
・調査や実験等で多くの時間を費やしてしまったが、屋外製品の塗装の難しさと注意点を十分に理解することができた。
(本ブログではあまり詳しくお伝え出来ていませんが・・・)
“たかが錆されど錆!”今後のものづくりに活かしていきたいと思います。