製品への携わり方~ODM製品生産時にやってしまったミステイク!!~

ずいぶんと前の話になりますが・・・
仕事で大きなミスをしてしまいました。
完全に自分が原因で、市場障害となる失敗は入社して初めてのこと。
周囲の人にも会社にも迷惑をかけまくり、本当に心が痛む・・・。
自分の代わりに営業担当が謝ってくれるのも、他の人に後戻りの仕事(手直し)をさせてしまうところがツライ。
この失敗談は、日常業務の中から発生しました。
製造事務だった私は、データ入力、書類・ラベルの作成など事務所のデスク周りで行う作業が主でした。
この障害が発生した時も、担当者から“この番号でラベルを作ってください。”そう依頼されて、
自分のデスクで言われた通りにラベルを作成する単純な作業でした。
しかし!!!
作成したラベルの桁数が1桁多い・・・このことに気づけなかったのです。
本当なら 0I176480(正しい番号) で作成するはずが
0IG176480(誤った番号) で作ってしまったのです。
製品の担当者、ラベル作成者、組立作業者がこのラベルを取り扱いましたが、
誰も気づくことなく製品が完成し、お客様に届けられてしまいました。
いったい何が起こったのか・・・?!
<調査で判明したこと>
・作業依頼者の連絡は正しかった
・ラベル作成者(私)の成果物が誤り
・組立作業者の確認はなし
<作業フロー>
*問題点*
・ラベル作成者(私)
①製品の一部であるという認識が薄かった。
②標準化されたラベル作成手順書がなく確実な作業が確立されていない。
③ラベル作成が生産工程より逸脱し、ルーチン化されていない。
・組立作業者
①依頼のみを行い、成果物の照合をしていなかった。
②シリアルの誤りに気づくことなく、品質記録に記載し生産を完了している。
③組立作業者以外が採番方法を理解していない状態で生産を行っている。
問題が起こって、自分の作業の何がいけなかったのかと思い返した時、
依頼された作業を言われた手順で行っただけ・・・。番号の目的(採番ルール)や製品への理解が私の中にありませんでした。
事務所ではなく、製品を目の前にしてラベルを作成していたら、
製品に搭載するものだからもっと緊張感を持って作成し、成果物をよく確認していたかもしれない。
・・・・・・・・何を思っても結局、言い訳ばかり。
自分が行う作業に責任が持てていなかった、そのことが大きな原因です。
この障害を受けて、ミスの可能性を最小限に抑え、流出を止める取り組みを現在行っています。
・誤った情報・作業手順を防止
言われた通りの作業をするのではなく、確実な作業を確立するために標準化されたラベル作成手順書を作成しました。
採番要領・確認時の留意点を盛り込み、決められた手順を守りラベルを作成するように変更しました。
・うっかり・ぼんやりの確認不足を防止
成果物に対して、ラベル作成者・作業依頼者・組立作業者の3段階で確認を実施するようにし、
各工程を担当する者が確実に確認を実施したことを記録として残すようにしました。
・流出を防止する検出力の強化
品質記録にシリアルの照合および確認項目を追加し、確認を強化しています。
失敗は誰にでも起こりえるもので、重要なのは自分の作業に責任をもつことと、ミスを防ぐためにどう対策するかということ!
今回の件は、作業手順と成果物への最終確認をするしくみがないことで、
お客様の信用を失う重大な問題になることを身に染みて感じました。
しくみの構築は、作業の質や効率を高めるだけでなく、自分・会社の信頼性や評価を向上させることにつながるのです。
この件以外にもいろいろな失敗をし、反省と後悔を幾度となくしていますが、
苦い体験と身に染みた教訓があるからこそ、今の自分がいます。
万が一、失敗してしまってもしっかり向き合い次につなげることを考えよう!と、前向きな気持ちで日々、業務に取り組んでいます。