バッテリー寿命が1年未満?!そんなはずは・・・
私は入社9年目、電気担当している芝本です。
休日はテニスをして過ごしています。
本題です。
券売機に搭載している無停電電源装置(UPS)のバッテリーが想定した寿命よりかなり短く、1年未満で劣化する(本来2年程度)という問題が発生しました。
また同じ現象が複数台発生しており、これは何かあるぞということで、調査を開始しました。
原因調査
バッテリー寿命の要素としては、温度要因、バッテリーバリア劣化(バッテリー電極付近に絶縁物質が析出する現象)の2点が大きく関わっています。
まず、温度要因ですが、バッテリーは温度上昇に伴い寿命が短くなります。しかし実際の環境を確認したところ想定した仕様温度内であり、これだけが原因ではないことがわかりました。
次に、バッテリーバリア劣化についての確認です。浅めの充放電を繰り返すことでバリアの劣化が発生します。
後から知ったことですが、UPSはバッテリー自動テストと呼ばれるバッテリーの劣化状況を確認するテストを定期的に行っていました。このテストでは浅い充放電を繰り返し行っております。1回だけで済めばよかったのですが、テスト中の機器動作による負荷変動によって、UPSが中断及びリトライを行っており、頻繁に充放電を繰り返す結果となっていました。
本来であれば停電発生時にのみ放電、復電時に充電が発生するため、ほとんど劣化することないと考えていたのですが…このことでバッテリー劣化を早めていたことがわかりました。
処置、再発防止
瞬低・停電が頻繁に発生する場合でも、バリア劣化発生のリスクを軽減させるために、バリア劣化しにくいバッテリーに変更しました。
バリア劣化の主要因である、頻繁なバックアップ動作を低減させるため、バッテリー自動テスト回数を低減したソフトウェアに変更しました。このテストはバッテリーの残寿命を確認するもので、月1~2回程度確認を行います。
今後に向けて
バッテリーが劣化しやすい動作が存在することがわかりました。
購入した部品を使用することが多くありますので、その部品を熟知しているメーカに対して、使用する環境・条件がわが社の使い方に適したものであるのか確認することが重要であると認識しました。