生産本部製造部生産課所属、勤続40年、還暦直近の大嶋です。

 

7年前の話になりますが、私が技術部で機構設計をしていた時のことで、某金融機関向けの無人自動契約機の2次試作機の組立後に起こった事象です。

 

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事象の概要

 

中型の筐体に21.5型ワイド液晶、ディスクトップPC、A4レーザープリンター、スキャナー、カードプリンタ、ハンドセット、USBカメラ、スピーカ、UPSなどを搭載した製品です。

出荷・設置後の通電時に漏電ブレーカが落ちるという症状が出ました。

6台中の1台でした。

 

 

原因調査

 

原因を調査したところLAN-HUBのACケーブルが損傷しており、被覆が破れて内部の導線と筐体が接触していることが判明しました。

 

なぜACケーブルが損傷していたのかを調べるとACケーブルが配線されている丁度真下にレベルアジャスターがありアジャスターを目一杯上に締め込んでいくとアジャスターのボルトとACケーブルが固定されている棚との間にケーブルが挟み込まれることが判りました。

 

画像1-1

 

 

対策内容

 

量産時にはACケーブルの配線経路を変更し、棚板にアジャスターの逃げ穴を設けました。

また、誤って逃げ穴にケーブル類を入れないように注意喚起ラベルを貼り付けました。

 

経路変更:棚下から棚上へ変更

画像2

 

注意喚起ラベルを貼り付け

イメージ図                       シール案

画像3

 

画像4-1

 

 

一歩間違えば感電、停電、発煙発火という重大な電気事故につながる所でした。

全国設置前の試作段階で見つかりほっとしました。

 

 

今後の取り組み

 

これ以降の機構設計時には、

 ・アジャスターの上部空間は十分あける。

 ・ケーブル等の挟み込みが起こらないように配線ルート、固定位置等を考慮する。

また、組立完了時には、

 ・最終状態での現物確認

 ・設置運用時の状況を想定した物になっているかの確認

これらを実践してきました。

 

現在は製造部で組立・配線に携わっておりアジャスターは基より、扉の開閉や、スライドレールでの引き出し等により挟まり、引っ掛かり、擦れなどが無いかに注視しています。

 

 

執筆者
大嶋啓吾
生産本部製造部生産課所属_今年4月で勤続40年 製品の組立資料作成および組立、配線作業に従事 週末は、ベランダ菜園とレッドビーの世話あとは買い物。